【事例紹介】Google広告のP-MAXキャンペーン「新規顧客の獲得」目標で配信してみた

Tags: 媒体:Google 広告

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皆さんこんにちは!
4月から5年目になります高田です。
この業界だと5年もいるとベテランと言われますよね。。
見劣りしないように頑張らないと。。

さて、今回は2021年より開始されたP-MAXキャンペーンの入稿時に新規顧客の獲得に注力するか、新規顧客”のみ”に注力するかを選択できますが、その2つのモードを配信してみた結果を紹介いたします。

 

P-MAXキャンペーンの「新規顧客の獲得」目標とは

これまでスマートショッピングキャンペーンでのみ使用可能だった「新規顧客の獲得」目標がP-Maxキャンペーンでも使用可能になったのを知っていますか?

※新規顧客の定義
Googleは新規顧客を下記のように定義づけております。
新規顧客:過去の購入状況と Google 広告にアップロードした既存顧客リストに基づいて判断
https://support.google.com/google-ads/answer/12080169?hl=ja

この「新規顧客の獲得」目標には主に2つのモードがあります。

「新規顧客値」モード

既存顧客より新規顧客に対する入札単価を高くするもので、顧客の最初の購入コンバージョン値に新規顧客獲得の値を加算する仕様です。
※顧客獲得値は、新規顧客の最初の購入コンバージョンに加算される値の調整額

「新規顧客のみ」モード

ビジネスにとっての新規顧客(過去の購入状況と Google 広告にアップロードした既存顧客リストに基づいて判断)のみに広告の表示を制限します
※カスタマーマッチで既存顧客リストを作成して連携することを推奨します


※上記はP-MAXキャンペーンの設定タブの「顧客の獲得」の設定画面(目標値部分は加工して切り抜いています)

新規顧客の獲得目標キャンペーンのメリット

これまで運用する中で感じたこととして、P-MAXキャンペーンで「新規顧客の獲得」目標を使用するメリットとしては、新規顧客獲得に注力できることに尽きると思います。
CPAを注視しながら広告運用を行っているとどうしても既存顧客に広告配信が寄ってしまうことが多いと思います。しかし、この「新規顧客の獲得」目標を使用することで新規顧客や既存顧客のバランスを調整することもできるのではないかと思います。
弊社はご共有可能なお客様ではカスタマーマッチリストを共有いただき、なるべくフレッシュな顧客情報をGoogleのシステムに読み込ませることで、新規顧客のコンバージョンを増やせるようにしております。

実際に配信してみた所感

Google広告ヘルプでは新規顧客獲得目標で配信することのメリットとして「新規顧客の獲得のための予算が効率的に活用されるため、顧客獲得単価が低くなる」と記載しております。この点に着目して配信所感をまとめてみました。

配信設計の概要

広告主:アパレルセレクトショップEC
配信エリア:全国
販売商品:ファッションアイテム(メンズ・ウィミンズ)→フィード連携

11月1日~11月30日:通常のP-MAXキャンペーンにて配信
12月15日~1月15日:「新規顧客値」モードで配信(通常のP-MAXキャンペーンと並走)
2月2日~3月2日:「新規顧客のみ」モードで配信(通常のP-MAXキャンペーンと並走)
※2月2日~3月2日のみカスタマーマッチリストを追加

顧客単価が低くなったのか

「新規顧客値」モードは通常のP-MAXキャンペーンと比較すると獲得単価が高くなり、「新規顧客のみ」モードは通常のP-MAXキャンペーンと比較すると獲得単価が若干低くなりました。

新規顧客値モード

期間:12月15日~1月15日
獲得単価:通常→1,107円、新規顧客値→1,220円

新規顧客のみモード

期間:2月2日~3月2日
獲得単価:通常→1,365円、新規顧客のみ→1,336円

リピートと新規の割合の変化

特にリピートと新規の割合の大きな差はありませんでした。
通常のP-Maxキャンペーンでも新規顧客の購入率が高く、新規顧客へ配信が寄っていたことが考えられます。

通常P-MAXキャンペーン

期間:11月1日~11月30日

新規顧客値モード

期間:12月15日~1月15日

新規顧客のみモード

期間:2月2日~3月2日

配信所感まとめ

通常のP-MAXキャンペーンと「新規顧客の獲得」目標を設定したキャンペーンでは新規比率で大きな差はみられませんでした。要因として、通常配信時から新規顧客の割合が高かったことが考えられます。取扱商品がファッションアイテムで新作商品を入荷するとすぐに売れる商品も多く、限定品などあまり量産されていない商品も扱っています。よって、全国で特定商品を探しているユーザーに広告が配信されて、購入に至ったケースも考えられ、「新規顧客の獲得」目標を設定する前から新規顧客獲得ができていたのではないかと思います。

今回は広告主の特徴から有益な情報が得られなかったため、他の商品カテゴリや業界でも実施してみようと思います。

「新規顧客とリピーター」のコンバージョンに関するレポートの出力方法

Googleによる動的要素が強めなP-MAXキャンペーン。
なかなか見ることができる指標が少ないですが、「新規顧客の獲得」目標を設定するキャンペーンでは「新規顧客とリピーター」のコンバージョンに関するレポートを確認することができます

確認するためにはいくつか設定が必要になりますので、今回はGoogleタグマネージャーを使用した方法をご紹介します。Google タグ マネージャーのコードに new_customer パラメータを追加する方法は次のとおりです。

  1. 新規顧客のコンバージョン タグを選択。
  2. [新規顧客のデータを取得する] チェックボックスをオンにする。
  3. [データレイヤー] または [カスタム フィールド] のデータソースを選択。
  4. 参照対象の購入手続きページに下記の変数を追加する。

他にもグローバルサイトタグを使用する方法、Firebaseを使用する方法がありますので、そちらについての方法は下記のリンク(Google広告公式ヘルプ)からご参照ください。
https://support.google.com/google-ads/answer/12077475#zippy=

Shiftではモニタリング機能を用いたり上記のようなレポート出力を行って新規顧客の割合の分析を行ったりして、詳細が見づらいP-MAXキャンペーンの分析もなるべく可視化して行っております。もしP-MAXキャンペーンの運用でお困りであればぜひご連絡くださいませ。

まとめ

「新規顧客の獲得」目標を用いたP-MAXキャンペーンについておまとめしました。私の担当させていただいているお客様でもCPAを注視して運用を行っているとどうしても既存顧客に配信量が寄ってしまい、新規施策として様々な提案をさせていただいたりしております。その提案の1つにこのP-MAXキャンペーンの「新規顧客の獲得」目標を設定があり、Googleの機械学習を活用しながらビジネスの拡大することが可能な広告メニューであります。ECサイトの集客を行っていて既存顧客の獲得に偏っている方にはぴったりなメニューではないでしょうか。

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